トップ教えて!ハテナさん~子育てコラム~便育コラム 第17回子どもは下品なことばや下ネタが大好き!

アクトウェア研究所代表、常磐短期大学特任准教授、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。乳幼児の発達心理学を専門とし、子どもの排泄行動などを研究テーマにしている。著書に絵本「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご」「うんこダスマン」(ほるぷ出版)、「保育園は子どもの宇宙だ!トイレが変われば保育が変わる」(北大路書房)などがある。幼稚園、保育園の園環境のデザインや提案を行っており、特にトイレ空間が得意である。

[第1回~第21回執筆者]
十文字学園理事・十文字学園女子大学特任教授、筑波大学客員教授、お茶の水女子大学名誉教授、学術博士。発達心理学、認知心理学、保育学を専門とする。著書に『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。

便育コラム 第17回子どもは下品なことばや下ネタが大好き!

子どもが言葉を達者に使えるようになると、「うんち・おちんちん・おしり・おっぱい」など排泄に関することばや性に関する言葉を多用してふざける行動がよくみられるようになります。
 
きょうだいや友達同士で下ネタを言い合って、いつまでもふざけている姿はよくみかけますね。このようなことは特に男の子同士でよくみられます。
 
なぜこの時期の子どもたちは排泄に関する言葉や性に関する言葉でこんなに笑いあって盛り上がるのでしょうか。
 
このような「笑い」には仲間関係を親密にする機能があります。ふざけあって笑い合うことで互いにもっと仲良くなることができるのです。
自分が発した言葉に対して、相手が笑い返してくれるということは、相手が自分を受け入れてくれたという証でもあるのです。
しかし幼児にとって「笑い」を相手から引き出すことは簡単なことではありません。笑いを引き出すにはその場面において普段とは違う「ずれ」を作り出す必要があって、しかもその「ずれ」を相手と共有できなくてはならないからです。
 
その点、「うんち・おちんちん・おしり・おっぱい」などは、言うだけでいとも簡単に笑いを取ることができる便利な言葉なのです。
 
言葉の発達がまだ十分ではない時期の子どもでも、とりあえずこの言葉を使えば、笑いあって親密な関係を築くことが可能になるのです。
 
子どもにとって、容易に笑いを得ることができる下ネタは手っ取り早いコミュニケーション方法というわけです。
 
子どもたちは、自分たちが恥ずかしいことを言っていることに気づいていないのではなく、恥ずかしい言葉であることを理解したうえで、とんでもないタイミングで使うほど効果があるとわかって使っているのですね。
 
この戦略は様々な場面で登場します。例えば、友達とケンカをして気まずい雰囲気になってしまった時や、許してほしいのになかなか許しを得ることができないときに「おしりもじもじ、ぷりっ!」などと言って相手におしりを突き出して、不機嫌な相手から笑いを引き出したりします。相手がうまく笑ってくれたら、それはほぼ許しを勝ち取ったも同然なのです。
 
また、他の友達同士が喧嘩をしているときにも、「うんちはいりませんか?」などと唐突に分け入って、笑いによってケンカをうやむやにさせてしまうこともあります。これはどちらかに白黒をつけさせないことで両者の面目を保つことができる戦略でもあるのです。
 
子どもはときどき大人に対しても下品な言葉を発して、大人が眉をひそめたり、困った顔をするのをみて楽しんだりもします。
 
大人が困った顔をするのを予想して、期待通りになったことが面白いのです。
 
もしかしたら、もっと小さかったころに「うんち」で大人をコントロールできたことが元にあるのかもしれませんね。(第8回「うんち!」で大人を試す
 
親としては、時と場合によっては厳しく注意せざるを得ないときもありますが、放っておいても5歳ごろになるとだんだん子ども自身が興味を示さなくなって自然とおさまってゆきます。
 
発達とともに言葉も巧みに使いこなせるようになり、下ネタに頼らなくても、仲間関係や親子関係を維持したり深めるためのコミュニケション方法を身につけてゆくからでしょう。

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アクトウェア研究所代表、常磐短期大学特任准教授、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。乳幼児の発達心理学を専門とし、子どもの排泄行動などを研究テーマにしている。著書に絵本「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご」「うんこダスマン」(ほるぷ出版)、「保育園は子どもの宇宙だ!トイレが変われば保育が変わる」(北大路書房)などがある。幼稚園、保育園の園環境のデザインや提案を行っており、特にトイレ空間が得意である。

[第1回~第21回執筆者]
十文字学園理事・十文字学園女子大学特任教授、筑波大学客員教授、お茶の水女子大学名誉教授、学術博士。発達心理学、認知心理学、保育学を専門とする。著書に『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。