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菜の花保育園(山梨・甲府市) 石田 幸美

「サイフォン遊び -- 砂場での挑戦」

妖怪ウォッチダンスでお祝い

菜の花保育園は、甲府の市街地にあるこぢんまりとした園です。
渡邉正志園長先生や受賞者の石田幸美先生ら、志を同じくする保育者たちが、
9年前に立ち上げた保育園ということです。

訪れたときには、園庭に子どもたちが群れて遊んでいました。
キャーキャーわいわい、とっても楽しそう。
受賞作品が、子どもたちのダイナミックな遊びを描写していたので、
てっきり大きな園庭を想像していましたが、
実際はそれほどの広さではありません。
遊びのスケールと空間のスケールは案外一致しないものだなあ、という思いを抱きました。
保育のスケールもそうなのかもしれません。

事務室で、しばし待っていると、
やがて子どもたちが集合したという連絡を受け、
ホールに向かいます。

3歳から5歳の子どもたちが、床にすわって、これから起こるイベントを待っています。
イベントは、東京からサンタのおじさんが来て、石田先生にプレゼントを渡すことです。
でも本当は、子どもたちはみんな知っています。
先生がサイフォン遊びの作文を書いたこと、それが全国で1等賞をとったこと、そしてそれをお祝いにおじさんが来たこと。
ホールの窓には、子どもたちの手描きのメッセージが飾られています。
「いしだせんせい おめでとう」
子どもたちのはじけるような字が、おどっています。



自分のやりたい保育をめざして9年
はたしてこの保育でいいのかどうか、手探りで進んできたそうです。
そして今回、審査員の先生方の評価を得たことで、
ようやく本当の自信をもつことができたとおっしゃっていたのが印象的でした。

贈賞式が終わると、男性保育士の呼びかけで、
子どもたちは妖怪ウォッチのダンスをしました。
子どもたちはもちろん、保育者も、園長先生もみんなでダンスしました。


石田先生は花束を贈呈されました。
長らく担任をしていた先生ですが、いまは主任として一歩ひいた立場で子どもとかかわっています。
「子どもって本当にかわいいですよ」
そう言う石田先生の声が少しだけうるんでいました。


サイフォン遊びの主人公ふたりと

編集部 宮川 勉