トップZOOたん~全国の動物園・水族館紹介~第2回 サバンナに集う

日本で唯一の動物園ライター。千葉市動物公園勤務のかたわら全国の動物園を飛び回り、飼育員さんたちとの交流を図る。 著書に『ASAHIYAMA 動物園物語』(カドカワデジタルコミックス 本庄 敬・画)、『動物園のひみつ 展示の工夫から飼育員の仕事まで~楽しい調べ学習シリーズ』(PHP研究所)、『ひめちゃんとふたりのおかあさん~人間に育てられた子ゾウ』(フレーベル館)などがある。

第2回 サバンナに集う

こんにちは、動物園ライターの森由民です。ただ歩くだけでも楽しい動物園。しかし、 動物のこと・展示や飼育の方法など、少し知識を持つだけで、さらに豊かな世界が広がります。そんな体験に向けて、ささやかなヒントをご提供できればと思います。

●今回ご紹介する動物: チーター・キリン・グラントシマウマ・エランド・ニホンザル・ニホンイノシシ
●訪ねた動物園: よこはま動物園ズーラシア・羽村市動物公園

 

 

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2015/4/22に全面オープンしたズーラシアの「アフリカのサバンナ」。それぞれにのんびり過ごすのはキリン・グラントシマウマ・大型アンテロープ類(ウシ科)のエランド……実は矢印の場所にも、もう1種類いるのです。

 

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チーターはネコ科の肉食動物ですが高速で走って狩りをするので身軽さが優先し、あまり頑丈な体のつくりにはなっていません。そこで自分より大きな草食動物を襲うのは避けることになり、きちんと馴らせばこんな展示もできるのです。肉食動物を含む4種の混合展示は国内初の試みです。
直接に獲物とハンターという関係ではないにしろ、このような展示を通して、わたしたちはあらためてサバンナの全体が動物たちのさまざまなつながりあいから成り立っていることを実感できるでしょう。

 

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時にはキリン越しにチーターの散歩が楽しめたりもします。

 

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羽村市動物公園のサル山ではニホンイノシシとの同居が行なわれています。サルもイノシシも日本の里山に現われる動物ですが、もちろん野生ではこんな姿は見られません(※)。しかし、特にサルたちにとってはイノシシの存在がよい刺激となり、動物園での暮らしにアクセントを与えているように思われます。

※「なかよし」というよりはイノシシはサルを気にせず、サルは気の向くままにイノシシを乗り物代わりにしているという感じです。

混合飼育は野生の生態系の再現につながったり、生きた動物どうしでこその関わり合いを生み出したりします。そのひとつひとつが、わたしたちにとっては新しい気づきや発見につながるでしょう。

動物園へ行きましょう。

◎「混合飼育」を見られる動物園
よこはま動物園ズーラシア
公式サイト http://www2.zoorasia.org/
羽村市動物公園
公式サイト http://www.t-net.ne.jp/~hamura-z/

写真提供:森由民

 

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日本で唯一の動物園ライター。千葉市動物公園勤務のかたわら全国の動物園を飛び回り、飼育員さんたちとの交流を図る。 著書に『ASAHIYAMA 動物園物語』(カドカワデジタルコミックス 本庄 敬・画)、『動物園のひみつ 展示の工夫から飼育員の仕事まで~楽しい調べ学習シリーズ』(PHP研究所)、『ひめちゃんとふたりのおかあさん~人間に育てられた子ゾウ』(フレーベル館)などがある。