[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー
台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
第14回雪のなかで
暦の上では春ですが、まだまだ寒いが続きます。今年の冬は例年になく雪が多く、ニュースで見聞きする以上に大変な思いをされている方もいらっしゃるのでは…。そこで今回は、雪のなかで春を待ちわびる絵本をご用意しました。
雪の生活
『ふぶきのあとに』小泉るみ子/さく ポプラ社
雪の朝、目覚めると既にお父さんは外へ。馬のアオバと一緒に、子どもたちが学校へ通う「道をつけに」出ているのです。北海道で育った作者が幼い頃に体験した冬の家族の物語。雪の怖さを身に染みたこの冬。「雪がとけたら、春が来たら」という家族の思いが伝わります。
詳細はこちら
and more
『おかしなゆき ふしぎなこおり』片平孝/写真・文 ポプラ社
巨大なカタツムリ形の雪、まるで怪獣軍団のような樹氷の森。川面に浮く氷の花。これって、本当に自然にできるの?と、驚いたリ感動したりしながら季節の移ろいを楽しむ、ユニークな雪と氷の写真集です。
詳細はこちら
つらら
『つららが ぽ-っとん』小野寺悦子/文 福音館書店
つららに女の子が尋ねます。「はるはちかいかどうか、おしえてよ」。すると、つららのしずくが「ぽーっとん ぽーっとん ちーかい ちーかい」と答えました。でも、外にはまだ冷たい風。ところがある日「ぽっとととととと とまらない。そこ そこ そこ 春はすぐそこに…。」
詳細はこちら
and more
『ぽとんぽとんは なんのおと』神沢利子/文 平山英三/絵 福音館書
双子のクマ坊やは穴のなかで少しずつ大きくなました。外からはさまざまな音が聞こえます。「かーんかーん」「つっぴいつっぴい」「ぽとんぽとん」。クマ親子の暖かい会話が心地よいロングセラー絵本です。
詳細はこちら
春はすぐそこに
『はるがきた』ジーン・ジオン/文 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 主婦の友社
カレンダーでは春はすぐそこなのに、町は灰色のまま。人々は暗く沈んだ気持ちです。ある日、春を待ちきれなくなった男の子が言いました。「ぼくたちでまちを春にしようよ!」。でも、どうやって町を春にするのでしょう?『どろんこハリー』のお二人による作品ですが、日本では2011年に初邦訳です。
詳細はこちら
And more
『はなをくんくん』ルース・クラウス/文 マーク・シーモント/絵 福音館書店
雪に埋もれた森のなか、動物たちが突然冬眠から目覚め「はなをくんくん」駆けてゆきます。そして見つけたのは小さな春!原書『The Happy Day』を『はなをくんくん』と訳した木島始さんは詩人です。
詳細はこちら
前の記事:第13回脱!甘えん坊
次の記事:第15回新しい生活のはじまりに