[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー
台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
第40回「しかけ絵本で遊ぼう」
しかけ絵本は、おもちゃとしての要素が強く、内容の希薄さ、壊れやすさなどから、絵本としての評価が低い傾向が長くありました。現在は、大人も魅了するほど美しく、芸術性の高いものが多く出版され、年々評価を高めています。
「次の行動を促す」
『お?かお!』ひらぎみつえ 作/ほるぷ出版
幼い子の大好きな顔の絵本。各ページ、厚さ5ミリもある紙をくりぬいた丸い穴に指を入れ、目や鼻を動かす仕掛け。「お?かお!」の言葉とともに、子どもの次の行動を楽しさで促します。遊びながら親子でたくさんの会話が生まれるのも、しかけ絵本の魅力です。
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『あおいよるのゆめ』ガブリエーレ・クリーマ 作・絵/さとうななこ 訳/ワールドライブラリー
イタリア生まれの美しいしかけ絵本です。シリーズ名は「ちいさなゆびで」。穴に小さな指をかけて動かせば、ほら!夜空に星は瞬き、お花畑にはチューリップが花開きます。
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「ひらいて、たたんで」
『どうぶつえん』わらべきみか え/小学館
小さな絵本から、思いがけない大きさで動物たちが次々に飛び出します。ページを開くと、広がり、立ち上がる。次のページをめくると、自然にたたまれ、納まり、新たな世界が広がる。しかけ絵本の王道ともいえる、魅力です。作りが丁寧に計算されているのでしょう。立ち上がりも、納まりもスムースです。
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『かぜビューン』tupera tupera 作/学研プラス
単純な折り畳みの仕掛け絵本ですが、子どもたちに大人気。タンポポの綿毛も、ライオンの立派なタテガミも、鼻水も!風がきたら「ビューン」の大ハプニング!何回でも笑える楽しい絵本です。
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「新感覚のしかけ」
『まわるまわるモンスター : くるりんぽん!』アニェーゼ・バルッツィ 絵/小学館
しかけのパーツを「くるりん ぽん!」と回すと、あらあら不思議!キノコは巨人に、いちごのアイスはおばけくらげに。素敵な麦藁帽子は宇宙船に大変身。もちろん、反対の変化を楽しむこともできます。幼児から小学生、幅広い年齢で一緒に遊べます。続編に『もっとまわるモンスター:くるりんぽん!』も。
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『ふしぎなにじ』たなべちなつ /福音館書店
鏡のしかけで左右のページに映る、美しい虹。映り込むことで広がる、立体的な世界を楽しめます。子どもはもちろん、大人まで、そっと…開く世界の、美しくも不思議な魅力に、夢中になることでしょう。
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