[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー
台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
第1回 秋を楽しむ絵本
今月のここがポイント
・秋を五感で感じることができます
・身近な自然に目を向けるきっかけになります
・遊びや造形に発展できます
0歳から6歳向け
『しぜんと あそぼう はっぱ』 水野政雄/著 小学館 1400円+税
表紙を見ただけで楽しくなりますね。葉っぱを使って動物や乗り物を作ったり、見つけっこ遊びをしたり、さまざまに楽しめる写真絵本です。最初はいつもどおりに読み聞かせをしてみましょう。子どもたちからはさまざまな声が上がりますが、できるだけ流れを止めず読み進めます。読み終えたあとは、年齢に応じて造形遊びを楽しみましょう。見開きごとに完結する構成ですから、そのとき必要なページだけを見ることもできます。巻末には作り方のコツもあります。
2歳から4歳向け
『どんぐりころちゃん』 みなみ じゅんこ/作 アリス館 1100円+税
「♪どんぐり ころちゃん あたまは とんがって おしりは ぺっちゃんこ どんぐり はちくり しょ♪」の、楽しいわらべうたの絵本です。でも、歌えなくても大丈夫。言葉をリズミカルにはっきりと読むことで、わらべうたと同じ楽しさが味わえます。楽譜も掲載されていますが、わらべうたは本来、口伝で継がれてきたものです。ゆえに、地域によってさまざまな歌い方があるのは当然のことです。手ぶりもかたちにとらわれず、自由に子どもと楽しんでください。
4 歳から6 歳向け
『びっくり まつぼっくり』 多田多恵子/文 堀川理万子/絵 福音館書店 800 円+税
雨の日に拾った「びっしょりしょんぼり まつぼっくり」が、翌朝になったら「すっかり はりきり まつぼっくり」に変身!どうしたのでしょう? 主人公のぼくと一緒に「まつぼっくり」の秘密を考えます。読んであげれば4 歳児さんから楽しめますが、大人も新鮮な驚きで一緒に楽しめる優れた科学絵本です。保護者の方にもおすすめしてみましょう。本の後方にある「まつぼっくり てじな」は、読めばきっと、すぐにやってみたくなりますよ。
新幼児と保育 2016 10/11月号より転載
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