[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー
台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
第46回「節目の季節に…伝えたいこと」
春は子どもも大人も、それぞれに「節目」の季節です。子どもたちにとっては、卒園・卒業そして入園・入学。あるいは、進級・クラス替え・担任の交代などもあり、改めて子どもの成長を感じる、こともあるでしょう。そんな「節目」の季節に、子どもたちに伝えたいことをテーマにした絵本を選びました。
「ことばに宿る力」
「しあわせになあれ」弓削田 健介/詩 松成 真理子/絵 瑞雲舎
なんて優しいタイトルなのでしょう。声に出す(読む)だけで、満ち足りた心地になりますね。名前を呼ぶことは、その人を想うこと。そんな思いが伝わります。表紙から裏表紙まで、美しい色彩に満ちていますので、見返し部分からゆっくりと丁寧に開いて読んでください。
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「つるかめ つるかめ」中脇初枝/作 あずみ虫/絵 あすなろ書房
「つるかめつるかめ」「とーしーとーし」など、「おまじない」は困ったときの、魔法の言葉。「小さな声でも効くからね」と、ささやいて、静かにそっと読んであげましょう。
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「平和について」
「へいわってどんなこと?」浜田桂子/作 童心社
大切ことなのに伝えにくい「平和」を、子どもの生活のなかから、具体的に伝えてゆきます。ゆっくり絵を見せてあげてください。確認をしたりせず、子どもの感じるままにしてあげましょう。自発的な言葉が出てきたときには丁寧に向き合い、言葉が満ちるまで待ってみましょう。折に触れ、繰り返し楽しく読んでください。
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「いっしょにおいでよ」ホリー・M・マギー/文 パスカル・ルメートル/絵 なかがわちひろ/訳 廣済堂あかつき
「たくさんの ひとたちが にらみあって おこっている。」女の子はニュースを見て怖くなりました。するとお父さんは…。多文化理解のために、幼い頃からできること。
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「いっしょに生きる」
『山はしっている』リビー・ウォルデン/作 リチャード・ジョーンズ/文 横山和江/訳 鈴木出版
山で暮らす、豊かな生き物たちの命の繋がりを、心に響く穏やかなことばと、透明感のある美しい絵で、描いています。また、見返しには36種類もの動物が描かれています。さあ、名前わかるかな?裏表紙に答えがありますので、お子さんと一緒に、チャレンジしてみてください。
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『あさになったのでまどをあけますよ』荒井良二 偕成社
気持ちが落ち着いているタイミングでゆっくり読んでください。開放的な絵と語りかける言葉が、読み手も聞き手も、幸せな気持ちで満たしてくれます。
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