[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー
台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
第70回「シリーズ絵本 その2」
昨年8月第62回で、「サイズや装丁に統一感があり、登場人物やテーマ・話の流れが一貫しているため内容をたどりやすく…」と、タイプ別にご紹介した「シリーズ絵本」の第2弾。今回は新刊を中心に、年齢別でご紹介してみましょう。新年度が始まり、幼いながらも子どもなりに緊張が続いています。どうぞ絵本と一緒にお子さんをギュッとハグしてあげてください。
「0~2歳」
「とことこえほんしりーず」から 中新井純子/作 童心社
さまざまな作家さんによる赤ちゃん向けシリーズのなかから、今回は中新井純子さんの2作品をピックアップしました。
『ちょきちょき』2023.2
ちょき ちょき ちょっきん/ちょきん ちょっきん/ちょっ、ちょっ、ちょっ… 子どもたちが最も好きなオノマトペの一つである「ちょき ちょき」の音でページをめくると、見慣れた形が大変身! 読み終えたらきっと、チョキチョキがしたくなる。お兄ちゃんや、お姉ちゃんも一緒に楽しみましょう。
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『びりびり』2021.6
赤ちゃんは、びりびりの音が大好き。言葉のびりびりにも、紙を破いた音のびりびりにも、からだ全体で喜びます。
絵本では、びりびり・びりりり…に続いてページをめくると、ぴっ/ぷっ/ぱっ、ウサギやヘビに変身!
次は何になるのかな? と、会話がはずみます。読んだら、きっと、作ってみたくなります。
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「2~4歳」
「ぽかぽか おふろシリーズ」とよた かずひこ/作 ひさかたチャイルド
今回でシリーズ12作になりましたので、季節ごと、話題ごとに合わせ、選んで読むことができますね。
『おふろ はいっていらっしゃい』2023.2
牧場のおふろやさんが誘います「おふろ はいっていらっしゃい」。なんて優しい言葉でしょう! その言葉に誘われて、ひつじさん、おうまさん、ぶたさんと…次々みんな、お風呂に入ります。最後に入ってきたのは誰でしょう? それは読んでのお楽しみ!
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『おばけばたけの おふろやさん』2019.8
おばけ大好き、食べるの大好きな子どもたちに大人気のシリーズ9作目。舞台はなんと、おばけ畑です。「でました どろん」「でました どろん」と、次々に現れるおばけたちですが、なんだかみんな、何かに似ているような気がします。
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「4~6歳」
「こいぬの パッチシリーズ」デイヴィッド・メリング/作 なかがわちひろ/訳 小学館
ロンドン生まれのユーモアあふれる絵本作家のシリーズがついに日本にやってきました!主人公のパッチ」は、まるで4.5歳児のようで目が離せません。
『こいぬのパッチ と ちいさいねこ』2023.3
パッチは子猫たちが好きじゃありません。子猫たちはパッチがお気に入りの大きな青い毛布を欲しがるのです。パッチはどうしたらよいのでしょう? 友達や小さな子たちとの関わりから生まれる、少し複雑な気持ち。そんな子どもの気持ちに寄り添い、最後には心地よい満足感を得られます。
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『こいぬのパッチ と みどりのもこもこ』2023.3
ある日、パッチのお皿に変なものが入っていました。緑色でもこもこしています。そこにラルフが遊びに来て、緑のもこもこに気がつくと、ぱくっ! それを見ていたパッチも、ぱくっ、あむあむ、ごっくん。未知の物への不安を克服し、好きなことが増えて喜ぶパッチに子どもたちは共感を覚えることでしょう。
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