トップえ~本シェルジュ~子どものおすすめ絵本~第73回「夏を待つ絵本」&「世界を知る絵本 その2:世界のあいさつ」

[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー 台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。

0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド

第73回「夏を待つ絵本」&「世界を知る絵本 その2:世界のあいさつ」

暑い夏が始まりました。縦に長い日本列島では、日の出・日の入りの時間はもちろん、梅雨の始まりと終わりにも、ひと月ほどの差があったり、そもそも梅雨のない地方(北海道)もあったりもしますね。それでも、夏の訪れにワクワク・ドキドキするのはどこの地方にいようと、みんな一緒!そこで、楽しい夏を想い、待つ絵本を選んでみました。そして「世界を知る絵本」は、さまざまな出会いの夏にぴったりな絵本『せかいのあいさつ』をご紹介します。
 

【夏を待つ絵本】
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『きんぎょすくい めいじん』松成真理子:作/講談社/2019.07/4歳から
お祭りの日、はじめての金魚すくいで失敗した僕。泣きそうになっていると、隣にいた男の子がそっと、金魚を1匹器に入れてくれました。翌日、僕はその男の子が金魚すくい名人だということを知り、彼に金魚すくいの特訓をしてもらって、いっしょに「きんぎょすくい大会」を目指します。何かに挑戦するとき、周囲の応援は子どもをグンと成長させるのですね。
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9784065282106_w
『かきごおり』石津ちひろ:作/植垣歩子:絵/講談社/2022.07/2歳から
暑い暑い夏と言えば、そう、ひんやりおいしい、かき氷! 小さな子には、「おおきなかきごおり」は夏の憧れのひとつでもありますね。おおきな、おおきなかき氷を、次々に馴染みのある動物たちが、食べに来ます。「かきごおりを たべにきたのは だあれ?」と、読み聞かせてもリズムの良いことばと、色鮮やかでおおらかな絵が楽しい作品です。
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9784569880563
『およいでいえに かえりたい』おかもとかなこ:作/PHP研究所/2022.06/4歳から
学校から大きな朝顔を持って帰るなぎちゃん。重いし、あまりの暑さに「ああ、あさがおさん もう およいで いえに かえりたい…」とつぶやくと…。あたりが水でいっぱいになり、たちまち町は流れるプールや水の滑り台に変身です。なーんて、気持ちが良いのでしょう!子どもは「ありえなーい」などと言いながらも、物語の世界に飛び込み、思い切り楽しむことでしょう。
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【世界を知る絵本】
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『せかいのあいさつ』シリーズ絵本 『おはよう』『ありがとう』『あそぼう』
こがようこ:文/下田昌克:絵/岡本啓史:監修/童心社/2023.04 5歳から
 

子どもにとって大切なあいさつは「おはよう」「ありがとう」そして、「あそぼう」。もう、このタイトルだけでも嬉しくなってしまいます。子どもたちが、毎日口にする身近な言葉を通し、世界を「地球のどこか」ではなく、「自分ごと」として、身近にグッと引き寄せるシリーズです。朝ごはんや遊び、家族、友だち、3冊通して計18か国18言語が、子どもの視線と感情を交え、紹介されています。見知らぬ街の見知らぬ人を身近に感じることこそ、今一番私たちに必要な想像力なのだと思いませんか?ぜひ、この夏、ご家族で様々な出会いに思いを馳せ、読んでほしい絵本です。実際に保育園の5歳児さんに読み聞かせている場に遭遇しましたが、子どもたちは友達の話を聞いているように興味津々、楽しそうでした。
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[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー 台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。

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