[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー
台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
第81回「春の喜びを感じる絵本」
例年になく早い春の訪れに、喜んだり、慌てたり…。とはいえ、やはり春の訪れは嬉しく、心が弾みますね。さまざまな「春の喜びを感じる絵本」を集めてみました。たくさんの嬉しい春をお楽しみください。
【春の喜びを感じる絵本】
『さくらのふね』きくちちき:作/小峰書店/2023.02/3歳から
表紙の桜色の美しさ! 4歳の子がなぜか「おいしそう…」とも言いました。「はるきたよ はるきたよ」最初に気づいたテントウムシが「さくらのふね」に乗って、山の仲間のハチヤチョウ、カタクリやニリンソウ、シカやカモなどに春を知らせに行きます。春の訪れの喜びを感じられる幸せな絵本です。
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『はるのやまはザワザワ』村上康成:作/徳間書店/2001.01/5 歳から
「ピーピー チッチッチッ」は鳥のこえ。「ブンブン プーン」は虫の飛ぶ音。じゃあ、「パッパッ ツンツン」は何の音でしょう? そう、これは植物の芽吹きの音! 春の山はこんなにも軽やかな賑やかさであふれているのです。何回でも読みたくなる楽しい春のロングセラーです。
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『はらっぱ ららら』鈴木智子:作/アリス館/2017.04/3歳から
春の原っぱって、こんなにも幸せ! 大人でもうっとりしてしまいます。黄色いワンピースの女の子が大きなクマちゃんと一緒にお散歩。「ららら、ららら。らんらんらん」。すると、ひらひら蝶々はブローチ、輪っかのお花はティアラ、タンポポの綿毛は…と、次々素敵に変身!
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『ちょうちょう ひらひら』まど・みちお:文 にしまきかやこ:絵/こぐま社/2008.02/1歳から
春って、なんだかとっても、くすぐったい!この絵本の表紙を見ていると、なぜかそんな感じがします。 ちょうちょうひらひら うさちゃんにとまって うさちゃんが「うふふ」。シカさんにとまって シカさんが「えへへ」。ネズミさんが「おほほ」。ゾウさんは「あはは」。幸せな気持ちになる絵本です。
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『たんぽぽは たんぽぽ』おくはらゆめ:作/大日本図書/2015.04/3歳から
たろうくんが遊んでいると、スズメの声が聞こえます。「たんぽぽは たんぽぽ」。するとタンポポは「ありんこは ありんこ」。今度はアリンコが…と、呼びかける声が春のお庭で次へ、次へと繋がります。そして「たろうは たろう」の声が聞こえます。「え? ぼく?」。たろうくん、どうするのかな?
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『もーいいかい まぁだだよ』平出 衛:作 /福音館書店/2001.05/3歳から
球根坊やとイモムシくんがかくれんぼ。「もーいいかい まぁだだよ」。でもイモムシくんはいつまでたっても「まぁだだよ」。やがてイモムシくんはさなぎになり…と、物語性がありますが。「もういいかいい」の楽しさで、1歳後半頃から楽しめます。幼い子向けのおはなし会でも人気のある1冊です。
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