トップえ~本シェルジュ~子どものおすすめ絵本~第85回「色と音で夏を楽しむ絵本」

[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー 台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。

0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド

第85回「色と音で夏を楽しむ絵本」

今年も暑く長い夏がやってきました。大人はうんざりするような夏ですが、子どもは元気いっぱい体全部で暑さをも楽しんでいるようですね。夏の絵本も、そう、元気いっぱい! 色と音があふれています。今月はそんな絵本をご紹介します。
 

【色と音で夏を楽しむ絵本】
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『ぴぽん』内田麟太郎:作・絵/鈴木出版/2021/2歳から
内田麟太郎さんが初めて絵を描いた絵本です。「たと」「の~」「みにょ」など、不思議なことばのリズムに合わせ、つぎつぎにいろんな色と形が現れる不思議な絵本。その日その日で、さまざまな読み方をして、自由に読めば良いと思います。ただ、読み方の面白さだけでおわらせることなく、絵からもお子さん自由な言葉が生まれると楽しいですね。
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『ぷかぷか』石井聖岳:作/ゴブリン書房/2005/3歳から
縦約26センチの、やや大き目の絵本です。「もし そらを とべたら、どうやってとぼう?」と、タコは思いました。こんなふうに、あんなふうにとアレコレ自由に考えていると、突然、大きな波がザブーンとおしよせて…。さあ、たいへん! 海の青の心地よさや、タコの発想の面白さとともに、言葉のリズムも楽しんで、おおらかに読んでください。
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『うみ ざざざ』ひがしなおこ:作/きうちたつろう:絵/くもん出版/2012/3歳から
歌人でもある東直子さん、イラストレーターの木内達郎さんによる夏の絵本です。お二人の作品の素晴らしさは、物語が子どもの目の高さで展開すること。空の青さや眩しさ、砂の熱さ、浮き輪の手触り。「ゆうらりこ」「ふんわりこ」の優しい言葉とともに、まるで、その瞬間を体験しているように感じる一冊。
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『ごぶごぶ ごぼごぼ』駒形克己:作/福音館書店/1999/1歳から
代表的な赤ちゃん絵本ですが、その面白さは、年齢制限なしの豊かさです。ページをめくることで変化する鮮やかな色彩と、ユニークな音。まさに色と音の織り成す不思議な世界。読むたびに真新しい世界が広がり、何回でも楽しめます。多くの方から「どうよめば?」のご質問がたくさん届きますが、コツは一つ。照れずに「水」になり切って読んでください(笑)。
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『どどどーんぱっ!』とよたかずひこ:作/鈴木出版/2015/3歳から
しろくま一家とアザラシ一家に、北極へご招待されたライオンさん。海からクジラに乗って、やってきました。早速みんなで、思いっきり氷遊びを楽しみました。そのうえ、夜には色鮮やかな打ち上げ花火が「どどどーんぱっ!」 。みんなで、夜空を見上げます。その夜、ライオンさんが泊まるのは、しろくまさんの作ったかまくらでした。楽しくて、涼し~い夏の夜です。
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『ひまわり』 和歌山静子:作/福音館書店/2006/2歳から
縦開きの科学絵本です。上へ、上へとめくりあげる構造が、スクっと育ちゆくひまわりを想像させます。一粒の種から始まり、黄色の大輪の花がたくさんの種の収穫へと物語は進みます。1冊の殆どが「どんどこ どんどこ」の音で展開します。この「どんどこ」が、横に横にと走るどんどこではなく、上へ上へと伸びゆく「どんどこ」であることを、意識して読んでみてください。横と縦では声のトーンが変わるから不思議です。
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[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー 台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。

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