トップえ~本シェルジュ~子どものおすすめ絵本~第6回 子育てこんな時こんな本

[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー 台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。

0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド

第6回 子育てこんな時こんな本

vol.1
新しい生活が始まったら

花だよりとともに、進級、進学で新しい生活が始まる方も多いことでしょう。お子さんと一緒にワクワク、ドキドキ…。春は嬉しさと同じくらい、不安や心配もある季節ですね。そんな季節にご紹介するのは、言葉を交わす楽しさや温かさを感じられる絵本です。ほかは何もいりません。絵本1冊分の時間だけ用意して、お子さんと一緒に読むだけ。それだけでよいのです。

 
 
おはよう
『おはよう』
中川李枝子/作 山脇百合子/絵・グランママ社 0~2歳
日常の小さな営みが丁寧に描かれた作品は、『ぐりとぐら』のお二人によるもの。30年に及ぶロングセラー絵本です。子どもは、おひさまが布団から起き出し、寝ぼけ眼で歯を磨いたり、着替えたりするのが嬉しいようです。最後の「おはよう」は、お子さんと一緒に、声に出して読んでみましょう。朝「おはよう」が元気に言えれば、きっと、一日が楽しくなります。
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■気に入ったらこちらもおすすめ
『おやすみ』中川李枝子/作 山脇百合子/絵・グランママ社 0~2歳
同じシリーズの絵本で、2匹の子犬の一日を描いています。泥んこになって遊び、お風呂に入ってご飯を食べて、お布団に…。今日も一日楽しかったね。
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あーそーぼ
『あーそーぼ』
やぎゅうまちこ/作・福音館書店 2~4歳
「あーそーぼ」と誘いに行くと、ぶたこちゃんはご飯の時間。「あーとーで」と言われますが、「いいな いいな」と一緒にご飯を食べて…。人に声をかけることが苦手なお子さんは一緒に読みながら遊んでください。最初は声を出すタイミングや、答える間合いに戸惑うはかもしれませんが、大丈夫。繰り返すうちに、慣れて楽しめるでしょう。
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■気に入ったらこちらもおすすめ
『おしくら・まんじゅう』かがくいひろし/作 ブロンズ新社 2歳以上
「あーそーぼ」が言えても、お友だちとどう遊んだらよいのかわからず、困ってしまうお子さんに。こんなふうに、ギュってするだけでも楽しいよ。
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ありがとうのえほん
『ありがとうのえほん』
フランソワーズ/作 なかがわちひろ/訳 偕成社 3歳以上 
フランスで1947年に出版された絵本ですが、とってもキュート。「コケコッコー!おはよう おんどり ありがとう/ きょうも ぱっちり めが さめた」シンプルな文章が心地よく、繰り返される「ありがとう」は、子どもの表情を穏やかにします。良い言葉のシャワーをたくさん浴びた子は、心に栄養が満ちている…そんなふうに思うのです。
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■気に入ったらこちらもおすすめ
『ありがとう…どういたしまして』ルイス・スロボトキン/作 わたなべしげお/訳 偕成社 4歳以上
「どういたしまして」は、今、あまり使われない言葉かもしれませんね。だからこそ、〝小さな人格者″に読んでほしい。
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[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー 台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。

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