[児玉ひろ美]
JPIC 読書アドバイザー
台東区立中央図書館司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活動。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
第69回「季節を感じる身近な生き物」
3月になると日に日に寒さが和ぎ、木々の芽や蕾も膨らんで、春のおとずれを実感します。一方、小さな生き物たちとの出会いもまた、季節の移ろいを春のおとずれを感じさせてくれます。子どもたちは小さな生き物たちと、とても仲良しです。季節を感じる小さな生き物の絵本を集めてみました。
『うまれたよ!メダカ』松沢陽士 写真 小杉みのり 構成・文 岩崎書店
5歳〜 表紙の写真、なんだかお分かりになりましたか? そう、メダカの卵です。水草に産み付けられたメダカの卵は日に日に少しずつ大きくなり、やがて自分の尾で卵を破ります。そうして、外の世界へ泳ぎでメダカはどんなふうに成長してゆくのでしょう? 小さな命のドラマを感じられる写真絵本です。
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『アリ』スージー・ウィリアムズ 作 ハンナ・トルソン 絵 渡邊真里 訳 化学同人
4歳〜 幼い子の視線に近い世界にいるアリ。どんなくらしをしているのでしょう?アリの生活はもちろん、種類やグループ、アリの体の構造まで。読んであげれば絵の情報とで、幼い子どもも理解できる丁寧な1冊です。お子さんの自発的な反応を受け止めてください。
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『ダンゴムシのコロリンコくん』カズコ・G・ストーン 文・絵 岩波書店
3歳〜 「きんいろの雨の木」の下で暮らすコロコロファミリーのコロリンコくんの成長を描いた楽しい物語です。コロリンコくんは、さっと丸くなることが得意で、きょうだいの誰よりも早く丸くなれます。でも、すぐにもぞもぞと動いてしまうので、パパやママはカラスに見つからないかと心配でたまりまらないのです。
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『せかいかえるかいぎ』近藤薫美子 作・絵 ポプラ社
3歳〜 「せかいかえるかいぎだ!」世界中の色とりどりの様々なかえるが会議に出かけます。ところが、途中で雨が降り、嬉しくなったかえるたちは、てんでに踊りだします。そのうち卵からおたじゃくもかえり、もう、それは、それは、大変な…。本まるごと、カバーの裏までかえるです。
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『かめのこうちゃん』高家博成, 仲川道子 さく 童心社
2歳〜 日向ぼっこが好き、なくさがめのこうちゃんは、沼に住んでいます。ある日こうちゃんは、お散歩の途中で出会った赤ちゃんかめを庇って、とんびに捕まってしまいます。さあたいへん! こうちゃんは大丈夫でしょうか? ハラハラ、ドキドキとお話を楽しみながら、かめの秘密がわかります。
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『オオムラサキのムーくん』タダサトシ 作 こぐま社
1歳〜 春風に起こされたオオムラサキのムーくん。モリモリ食べて蝶々になります。ムーくんは、ほかの虫が食べるスミレの葉などを齧ってみますが、まずくてまずくて、とても食べることはできません。仕方なくムーくんはおいしい葉を求めて進みますが…。最初はムー君とむしたちのセリフだけ読んでみてもいいですね。
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