常磐短期大学准教授、アクトウェア研究所代表、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。乳幼児の発達心理学を専門とし、子どもの排泄行動などを研究テーマにしている。著書に絵本「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご」「うんこダスマン」(ほるぷ出版)、「保育園は子どもの宇宙だ!トイレが変われば保育が変わる」(北大路書房)などがある。幼稚園、保育園の園環境のデザインや提案を行っており、特にトイレ空間が得意である。
[第1回~第21回執筆者]
環太平洋大学教授・お茶の水女子大学名誉教授・十文字学園大学名誉教授・福岡女学院大学大学院客員教授、学術博士。発達心理学、言語心理学、認知科学、保育学を専門とする。著書に『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。
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[第1回~第21回執筆者]
環太平洋大学教授・お茶の水女子大学名誉教授・十文字学園大学名誉教授・福岡女学院大学大学院客員教授、学術博士。発達心理学、言語心理学、認知科学、保育学を専門とする。著書に『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。
第17回「絵本でこころの栄養補充」2
―たのしく・あそぶ・まなぶ・そだつ―
今回は、子どもの「脳の育ち」を軸に、子どもの成長のプロセスを
内田先生がやさしく解説してくださいます。
脳の発達の段階に応じた、折々の子どもの姿がわかると、
子育ては一層たのしいものになることでしょう。
4歳になると物語世界を楽しめるように
ただし、4歳になったら解説を加えずに、絵本の文章だけを読み聞かせるようにしましょう。そのほうが、集中して一つの物語世界を頭の中で構築できるからです。
5歳ぐらいになると、『大きなカブ』のように繰り返しの文章を好むようになります。子どものお気に入りの絵本が見つかると、「もう一回読んで!」とせがまれると思いますが、何度でも読んであげましょう。子どもにとって絵本との出合いはとてもうれしい経験。お気に入りの絵本ができるのは、喜ばしいことです。
ベッテルハイムという児童精神科医が、『昔話の魔力』という本の中である子どもの例を紹介しています。その子どもは注意欠陥・多動性障害という症状があり、じっと座っていられずにうろうろと歩き回ったり、ちょっとしたことでかんしゃくを起こす傾向がありました。色々な治療をしてもまったく効果がなかったそうです。ある日ベッテルハイムが、病室に数冊の絵本を持って入ったら、その子どもは、ふっとこちらを見ました。そこで、「読んであげようか?」と絵本を読み聞かせてみたら、普段は少しもじっとしていられない子どもが、少しも動かずに聞いていたのです。ベッドに座って絵を見つめ、ベッテルハイムの声にじっと耳を傾けていたそうです。次の日も、また次の日も、その子は同じ絵本を選びました。それから毎日同じ絵本を読み聞かせ、1ヶ月経ってその絵本を味わい尽くしたのか、次の本に移っていきました。そのようなことを繰り返しているうちに、その子どもはかなり落ち着いてきて、症状が改善されたそうです。本が治療の糸口になったのですね。
子どもは、同じ本でも、そこから受け取っている心の栄養は、毎日毎日違っているのでしょう。昨日とは違った感触を味わいながら、毎日新しい発見をしているはずです。その本を卒業するまで繰り返し読み聞かせ、子どもの心に充分に栄養を与えてあげてください。
me[ミー]秋号2016 Autumn Vol.32より転載
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