トップ教えて!ハテナさん~子育てコラム~便育コラム 第1回 うんちはプレゼント!

常磐短期大学准教授、アクトウェア研究所代表、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。乳幼児の発達心理学を専門とし、子どもの排泄行動などを研究テーマにしている。著書に絵本「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご」「うんこダスマン」(ほるぷ出版)、「保育園は子どもの宇宙だ!トイレが変われば保育が変わる」(北大路書房)などがある。幼稚園、保育園の園環境のデザインや提案を行っており、特にトイレ空間が得意である。

[第1回~第21回執筆者]
環太平洋大学教授・お茶の水女子大学名誉教授・十文字学園大学名誉教授・福岡女学院大学大学院客員教授、学術博士。発達心理学、言語心理学、認知科学、保育学を専門とする。著書に『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。

便育コラム 第1回 うんちはプレゼント!

赤ちゃんのオムツを開いて、うんちを発見した時、どんなリアクションをしていますか?

 

「げっ、くさーい!」とか、

「あ~あ、またうんちだ」などと、

鼻をつまんだり、顔をしかめたりしますか?

 

それとも

「おっ!うんちがでたね~」とか、

「わお!りっぱなうんちですね~」などと、

にっこり笑いながら赤ちゃんに話しかけますか?

 

赤ちゃんはお母さんからオッパイや食事を受け取りますが、実は「うんち」は赤ちゃんから唯一(といっていいでしょう)お母さんに差し出すことができる貴重な「プレゼント」なのです。

 

お母さんがどんなふうに「プレゼント」を受け取ってくれるか、赤ちゃんはいつも観察しています。

 

たとえば、誰かに何かをプレゼントする場面を思い浮かべてみてください。

 

あなたが差し出したプレゼントを相手が笑顔いっぱいで受け取ってくれた時、こちらもうれしくなって、プレゼントと共に自分自身も受け入れてもらえたように感じませんか?

 

けれども、もし相手が無表情でただ受け取ったなら、あなたはたぶんがっかりして、自分は嫌われているのかもしれないと思ってしまうかもしれません。

 

赤ちゃんとお母さんのうんちのやりとりには、親子の信頼関係を深める役割もあるのです。

 

赤ちゃんはお母さんがプレゼントを喜んでくれているのか、それとも不愉快に思っているのかどうやって感じ取っているのでしょうか。

 

それはお母さんの表情や、声の調子などからです。

赤ちゃんは感覚を総動員させてお母さんの心を読み取ろうとします。

だから表情が豊かなお母さんは、赤ちゃんにとって心を読み取りやすく安心です。

お母さんが無表情だと赤ちゃんは心を読み取れず、不安になってしまいます。

 

それから声の調子。

私たち大人は幼い子どもに話しかけるときは無意識のうちに、声のトーンが高くなります。

 

同じ「こんにちは!」という声掛けも大人にするときよりも赤ちゃんにするときのほうが声は自然と高くなるのです。

 

そしてその高い声には「私はあなたのことをかわいいと思っていますよ」「私はあなたが好きですよ」などの意味が伴っているのです。

 

だから赤ちゃんは高いトーンの声を好みます。

 

また私たちの声は誰かに甘えるときも高くなります。

 

このように、高い声は安全で、安心で、好意的であることを示しています。

 

逆に低い声は、脅したり、叱ったりするときに出ます。

低い声は危険や攻撃性、敵意を示すのです。

 

声のトーンにはその時の気分が如実に反映されるわけです。

試しに赤ちゃんに低い声で話しかけてみてください。

赤ちゃんは不安な顔をしたり、泣き出したりするでしょう。

 

さて、話を「うんち」にもどすと、

お母さんが赤ちゃんのうんちを見た時も、

「うげぇ~」とか、「あ~あ」とか沈んだ低い声で反応すると、

赤ちゃんは自分のうんちやうんちをした自分自身が歓迎されていないと悟ってしまいます。

 

では、高い声で「あ~あ、またうんちだ」と言ってみたら・・・・?

どうなるか、やってみてください。(笑)

 

赤ちゃんが気持ちよくうんちできるように、話しかけてあげてくださいね。

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常磐短期大学准教授、アクトウェア研究所代表、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。乳幼児の発達心理学を専門とし、子どもの排泄行動などを研究テーマにしている。著書に絵本「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご」「うんこダスマン」(ほるぷ出版)、「保育園は子どもの宇宙だ!トイレが変われば保育が変わる」(北大路書房)などがある。幼稚園、保育園の園環境のデザインや提案を行っており、特にトイレ空間が得意である。

[第1回~第21回執筆者]
環太平洋大学教授・お茶の水女子大学名誉教授・十文字学園大学名誉教授・福岡女学院大学大学院客員教授、学術博士。発達心理学、言語心理学、認知科学、保育学を専門とする。著書に『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。