便育コラム 第4回 おむつなし育児
「おむつなし育児」が話題になっていますが、ご存知ですか?
「おむつなし」といっても、全くおむつを使わないわけではなく、おむつを使いながらも乳児期からできるだけおむつの外で排泄させるという育児方法です。
「おむつ」を使う動物はヒト以外には見当たりませんが、他の動物の赤ちゃんが汚物にまみれてしまうことはありません。ヒトの赤ちゃんも本来はおむつを使わなくてももっと早くから排泄をコントロールできるようです。
大人の都合でおむつをつけさせられたヒトの赤ちゃんは、おむつの中で排泄するトレーニングをした後に、さらに今度はおむつを外すトレーニングをするという、なんとも回りくどいことをしなくてはならないのです。
「 第1回 うんちはプレゼント!」で書いた通り、排泄をめぐる親子のやり取りはコミュニケーションそのものであり、その繰り返しによって信頼関係を深めてゆくのです。
「おむつなし育児」の素晴らしいところは赤ちゃんとのコミュニケーションに敏感になれるところでしょう。
おむつがないと赤ちゃんの排泄サインに注意深くなります。最初からうまくいく場合ばかりではありませんが、繰り返すうちに赤ちゃんのちょっとした表情の変化や動きを読み取れるようになり、そのときにおまるをあててあげるとタイミングよくおしっこが出るようになるのです。
うまくタイミングが合うと言葉は無くても赤ちゃんと意思の疎通ができたという実感が湧くのです。
赤ちゃんと繋がれたというこの実感は、子育てをするうえでとても力強い自信になるのです。
これは赤ちゃんにとっても同じことが言えるでしょう。サインを出せば受け取ってもらえて、理解してもらえるという安心感は赤ちゃんの情緒を安定させるはずです。
そしてこの時の赤ちゃんが出すサインはうんちやおしっこが「出た」というサインではなく、「これから出るよ」というサインなのです。
おむつを使うことで忘れかけていたお母さんの感性が、おむつを使わないことでまた再び蘇ってくるのでしょう。
お母さんの感性が蘇れば、赤ちゃんも一生懸命サインを出すでしょう。赤ちゃんもお母さんと通じ合いたいからです。
仕事を持っているお母さんが「おむつなし育児」をするのは難しいと考える人も多いかもしれませんが、週末だけや、気持ちの余裕があるときだけでもやってみる価値はありそうです。
普段はおむつを使っていても、ときどきは感性を研ぎ澄ましてみるのはいかがでしょうか。
参考資料:三砂ちづる(編集、著)赤ちゃんにおむつはいらない 失われた育児技法を求めて(勁草書房)2009年