便育コラム 第9回保育園ではできるのに、家ではできない
保育園ではできているのに、家に帰ってくるとできない、ということがよくあります。
保育園ではひとりで着替えられるのに、家では手伝わないと服を着られないとか、保育園ではさっさとできるのに、家ではグズグズしてなかなか進まないとか。
連絡帳で「〇〇がひとりでできるようになりました」と先生がお知らせしてくれるのだけれど、家ではどうもそんなにうまくいかないということは、自立するちょっと前によくおこるようです。
この時期の子どもは、保育園と家での振舞い方を使い分けることができます。
要するに「外面がよい」というわけですね。
私たち大人が仕事から帰ってきて、家に着くと脱力して何もしたくなくなるのと似ています。
保育園ではお兄ちゃん、お姉ちゃんぶっていても、家に帰ると力が抜けて、甘えん坊に逆戻りしてしまうのですね。
保育園の先生にたくさん褒めてもらって充実した日中を過ごした後に家に帰ってきても、それはまだ背伸びをしているのです。
このような使い分けができるのは、社会性が発達しているからこそともいえるでしょう。
力を抜くのはお母さんの前だからです。
またこうやって、バランスをとることで、次の日も保育園で頑張れたりするのです。
トイレットトレーニングも保育園では成功することが多いのに、家では失敗ばかりということがあります。
わざとパンツの中でやったのが見え見え、なんてこともありますね。
パンツを汚してしまうと、着替えなくてはなりませんが、こんなときに子どもがグズグズしたがるのは保育園よりも家庭でのほうが多く、また女の子より男の子に多くみられます。
これは、一般的に「母親は男の子に甘い」ということと対になっているようです。子どもの方も親の行動をわかって戦略を練っているのでしょう。
子どもがグズグズすると、親はあの手この手を使って着替えさせようとして、そこに多様なやりとりが生じて、グズグズが長引くと遊びに発展したりしてゆきます。
そうなると子どもの狙い通りなのですが、くすぐり遊びなど肌と肌が触れ合うスキンシップを親から引き出すことができれば、子どもにとっては大成功です。
この時期の子どもは親に抱っこやおんぶをしてもらうなど、それまでに比べるとスキンシップの機会が減少しています。文字通りの「触れ合い」を欲求しているのでしょう。
肌触りが親子に与える影響は大きく、肌が触れ合うことで幸福感や安心感を共有することができます。
しかし、調子に乗ってグズグズするのがあまり長引くと、逆に親の怒りを買うことになり、子どもにとっては想定外の学びのチャンスとなるようです(笑)。