便育コラム 第30回「うんち」のえほん紹介2 生き物のうんちの色や形には意味がある
「う・ん・ち」(福音館書店)は動物などのうんちの図鑑で、さまざまな生き物のうんちの特性を詳しく説明しています。
この絵本を読んでいると、動物のうんちも虫のうんちも、ヒトのうんちと共通していることに気がつきます。動物や虫のうんちの色や形やにおいにも意味があるのです。
ライオンのうんちは格別に臭いそうなのですが、それはライオンが肉食だからでしょう。ヒトも肉食に偏るとうんちが臭くなります。
アゲハチョウの幼虫のフンはさわやかなにおいです。ユズやミカンの葉っぱを沢山食べるからです。そして卵からかえったばかりの幼虫は黒くて鳥のフンのような姿をしていますが、これは天敵を欺くためなのです。
カタツムリは食べたものによってフンの色が変わります。カボチャを食べると黄色のフン、ニンジンを食べるとオレンジのフン、ホウレンソウだと緑のフンをします。
本当にそうなのかカタツムリを実際に飼って、いろんな色のエサをあげてみたくなりますね。
キリンなどの草食動物はうんちを歩きながらたくさん出しますが、あたり一面にばらまくことで居場所をごまかすのだそうです。ばらまきやすいようにポロポロのうんちなんですね。
ローランドゴリラはうんちをするときも堂々としています。その堂々ぶりがなんともあっぱれで、表情がとっても勇ましいのです。
便育講座の時にこのかっこいいゴリラのページを子どもたちに見せて、「うんちは堂々ととしてよいのだよ」とお話させていただくこともあります。
ヒトは排泄を恥ずかしがったり、自分の排泄物を見るのも嫌ったりしますが、この絵本に登場する生き物を見ていると痛快な気分です。
みみっちいことを気にするヒトがむしろ滑稽におもえてくるかもしれません。

う・ん・ち
なかのひろみ 文、ふくだとよふみ 写真 (福音館書店)