トップ教えて!ハテナさん~子育てコラム~第7回 「1~2歳児のママへ」編3

十文字学園理事・十文字学園女子大学特任教授、筑波大学客員教授、お茶の水女子大学名誉教授、学術博士。発達心理学、認知心理学、保育学を専門とする。著書に『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。

第7回 「1~2歳児のママへ」編3

子どもが子どもでいられる時間は長いようで、とてもみじかいものです。
「いい親」になろうとがんばりすぎず、焦らず、
お子さんと一緒に1歩ずつ、楽しみながら進んでください。
(内田伸子先生著書『子育てに「もう遅い」はありません』より)
―たのしく・あそぶ・まなぶ・そだつ―「楽習」

 

好奇心を育てる4つのルール「待つ・見守る・急がない・急がせない」

 

最近、砂場が汚いから遊ばせたくないという親御さんが増えているようですが、
子どもは少々のことでは病気にはなりません。
子どものころから体を汚さないような遊びばかりしていると、
それこそさまざまな菌に対する抵抗力ができないのではないかと思います。
遊んだ後にうがいをし、きれいに手と足を洗えば大丈夫でしょう。

  
遊びというと、大人はつい、おもちゃで遊ばせることを考えてしまいがちです。
おもちゃを与えれば子どもは興味をもち、上手に遊んでくれると思ってしまいます。
しかしながら、せっかく買ったおもちゃには見向きもせず、ティッシュペーパーを箱から次々にぬいて大喜びする子どももいます。子どもにとっては身の回りのものすべてが「おもちゃ」です。わざわざおもちゃを買い与えなくても、子どもは遊びを発見する天才です。「遊ぼう」と身構えるのではなく、大人は子どもがしていることに合わせてあげるだけでいいでしょう。
1歳を過ぎたころから、過去に経験したことを頭の中で思い浮かべるようになります。例えば、空き箱を「ブーブー」と言いながら動かしているときは、頭の中では自動車を思い浮かべています。こうした遊びは、子どもの豊かな「発想」のもとになっていきます。このとき、周りの大人が「この子は車が好きなんだ」と車のおもちゃを次々に買い与えると、発想の芽を摘む原因になります。何もないところから何かを生み出す、そのプロセスはとても大切です。大人も一緒に空き箱を使って遊んであげましょう。子どもが自分から取り組んで、一生懸命に遊んでいるときは、途中でやめさせたりしないで、満足するまで体験させてあげましょう。
  

満足するまでたっぷり遊べたら、子どもは次へ進みます。遊びの中にも子どもが成長するステップが含まれているのです。
子どもにとっては、毎日が「発想」の実験日で、次々と遊びを発明していきます。
お母さんやお父さんは、「待つ、見守る、急がない、急がせない」を心がけて温かく見守り、子どもの興味を共有してみたら、一緒に楽しい時を過ごせることと思います。
  

子どもにとって遊びは生活そのものであり、自分を表現する方法です。自分でするから楽しいのでしょうし、その楽しさのもとになるのは自分の内から湧き出てくる好奇心でしょう。
積み木を買ってあげても、横一列に並べたり、カチカチ打ち鳴らしたりして、
本来の使い方とはまったく違う遊びをする子どももいます。それでも、すでに遊びは始まっています。ここで大人が「積み木は積んで遊ぶもの」と教えてしまうと好奇心が薄れてしまいます。積み木は知育にいいといわれているので、「豊かな発想をもつ子に、手先が器用な子にしたい」と買い与える親御さんもいるでしょうが、それはあとからついてくるようなものです。最初に「目的ありき」では、それこそ子どもの自由な発想を奪うことになりかねません。
この時期に型にはめてしまうと、柔軟な発想ができなくなってしまうのです。
やがて、積み木をひとつずつ積んでいくおもしろさに気づくでしょうし、「高い塔を作ろう」と真剣に取り組むようになります。おもちゃを与えたら、あとは自由な発想に任せましょう。もし積み木を投げつけたりしたときは、「人に当たったら痛いから、ポンしないでね」ときちんと言い聞かせれば、わかってくれるはずです。

  

 
me[ミー]秋号2015 autumn Vol.28より転載

記事一覧

十文字学園理事・十文字学園女子大学特任教授、筑波大学客員教授、お茶の水女子大学名誉教授、学術博士。発達心理学、認知心理学、保育学を専門とする。著書に『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。